冷酷な彼は孤独な獣医
動揺するあたしを、瑞樹さんは笑う。


「アハハッ案外、龍に理央ちゃんから告白したら、

あっさりオッケー貰えるかもよ!」


瑞樹さんの言葉に、あたしはうつむいた。


「………それはないよ」


「どうして?」


「龍は、とっくにあたしの気持ちを知ってる」


「えっ?」


「あたし……ソファーで寝ていた龍に……キスしようとしたの。

そうしたら、龍が起きて……」


「もしかして怒られたとか?」


「うん……俺の事が好きなのかって聞かれて……好きだって答えたら、

その気持ちを今すぐに捨てられないなら出て行けって……

それであたし、家を飛び出したんだ」

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