冷酷な彼は孤独な獣医
そこには、美紀さんの荷物が置かれていて……


「龍、マズいんじゃない?」


あたしが小声でそう言うと、

龍はなにも言わずソファーに座る。


すると、龍の兄が大きな声を出す。


「龍我!」


「あぁ?」


兄はソファーに座る龍の目の前へ行くと、

もの凄い目で龍をにらむ。


「なんで美紀の荷物が此処にあるんだ!?」


龍は、面倒くさそうに答える。


「預かってくれって言われたんだよ」


龍は兄から目線をそらすと、

足を組んでソファーにもたれ掛る。


「美紀は何処に居るんだ!?」

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