冷酷な彼は孤独な獣医
「痛いよ!離してよ!

この冷酷非情人間!」


あたしがそう言うと、龍はあたしの後ろ襟を掴む。



「あのな!優しさや情なんてもんは、

自分の身を滅ぼすだけだ。

…………必要ない」



「何それ?意味わかんない!」



龍をにらむと、龍の目はいつもの様に冷たく、

でもどことなく悲しい目をしていた。



そんな龍の事が気になって見ていると、

龍はあたしの襟を掴んだまま、

病院の2軒隣の食べ物屋へ入って行く。


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