冷酷な彼は孤独な獣医
ガラガラガラ



「ちょっと離してよ!」



「いいからさっさと入れ!」



龍はあたしの襟を引っ張り、

そのままお店の中へ入る。



するとそこには、カウンターに座って一人、

テレビを見ながら笑っている男の人の姿。



男の人はあたし達に気が付くと、

座ったまま後ろを振り向く。



「なんだ龍かっ。

って!!女の子と一緒!?

珍しい!!」







そう言って、驚いた顔をしてあたし達を見る男の人の顔には、

目の脇からあごの辺りにかけて大きな傷があった。













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