冷酷な彼は孤独な獣医
龍は、カウンターの隅に置いてあった雑誌を手に取る。



「なんかよくわからないけど、ニンジンとトマトを食べないと、

人生真っ暗になるんだね。


瑞樹さん、ニンジンとトマト抜きでなにか作って下さい」




あたしがそう言うと、瑞樹さんは引きつった笑顔で話す。



「アハハッなんか、龍のくどい説明意味なかったみたいだね………」


「無能なヤツほど、人の忠告をきかないものだ」


「なによ!本当嫌なヤツ!」


あたしが口を膨らませると、

瑞樹さんは笑いながら料理を始めた。


その間、龍はなにも言わず雑誌を読んでいた。



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