冷酷な彼は孤独な獣医
龍と瑞樹さんは、呆れた顔であたしを見る。


そして龍が口を開く。



「とりあえずさっさと食え!」


「あっうん……

いただきまーす!」






瑞樹さんの作る料理はどれもおいしくて、

それなのにあたし達が帰るまで、お客さんは一人も来なかった。



「ごちそうさま!」



あたしと龍は瑞樹さんのお店を出ると、

真っ直ぐ家に戻った。


家に帰ると龍はまた、すぐに書き物を始める。


あたしは、ソファーに座ると龍に話し掛けた。


「ねぇ龍?」


「ん?」


「瑞樹さんの料理あんなに美味しいのに、

なんでお客さん来ないんだろうね?」
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