LOVE・ホテルに行こう。
始まり
…自己嫌悪。


そんな言葉が頭を埋め尽くす。


休みの日の朝6時。


そんな時間に起きた事がない私がクラクラするくらい眩しい朝日を浴びてる。


それもラブホの出口で。
いや、入り口か?


まー、どっちにしても同じか。


他人には見せられない顔を隠しながら俯き加減で歩く。


大通りに出てすぐタクシーを捕まえた。


住所を早口で言い、タクシーのドアに体を傾ける。


ハァ~。


小さな溜め息に運転手がミラー越しに私を見た。


「お客さん、お疲れですね?お仕事ですか?」


「えっ。…あ~、そうです」


こんな時間にあんな場所から乗せた私を夜の仕事のオネーサンと勘違いしたのかもしれない。


「大変ですね。着きましたら起こしますから休まれててよろしいですよ」


私のおじいちゃんくらいの歳の運転手に優しい言葉を掛けられ、ますますあの言葉が頭を埋め尽くす。


…自己嫌悪。





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