LOVE・ホテルに行こう。
フフフと
うつ向いて笑いだした田村君。


「木崎さんってそう言う人だったんだ。イメージ、違い過ぎ。…なら、好都合だ」


いつもの優しい田村君とは全然違う意地悪な言い方をして私を見てる。


「木崎さん、俺の彼女になって下さいよ」


「えっ?」


話の流れが全然違う気がするんだけど。


「連休に実家帰ったら親戚のおじさんがお見合いしろってうるさくて。男は結婚して一人前だって、その場にお見合い相手連れて来そうな勢いだったんで。彼女出来たって言っちゃったんですよね。そしたらうちの親が会いたいって言ってきて」


「…彼女って…そんな…」



「ギブアンドテイクで丁度いいじゃないですか?木崎さん、俺に悪かったって思ってるんですよね?2ヶ月間でいいんで彼女になって下さいよ。10月にイトコの結婚式があってこっち出て来るんですよ、うちの親。その時に会いたいって」


「…」


「それくらいの事出来ますよね」


私を睨む田村君の目。


「彼女になってくれますよね?」


「…」


「エッチの見返りって事で」


私を見る冷たい目。
初めて見る田村君に戸惑っていた。





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