LOVE・ホテルに行こう。
そんな事言った私を益々、心配してくれてるのは顔を見ればすぐ解る。


「…ホテ‥ル、行きますか?…横になって休めますし…気分良くなったらすぐ出ればいいですし…」


繁華街のホテル。


…ラブホテル。


私逹が座ってる場所からカラフルな看板が見える。


そんな事出来ない。
大丈夫だから、タクシーで帰る。


そう言って困ってる田村君を解放してあげれば良かった。


「…う‥ん。…少し、休んでいく」


昨日の私はいつもの私じゃなかった。


…人、恋しかった。


優しい田村君を『誘って』しまった。


人生で初めて男の人を『誘って』しまった。


「大丈夫ですか?立てますか?歩けます?
俺に寄りかかって下さい」


私が『誘った』事を知らない田村君はいつまでも優しかった。


遠慮がちに私の体を支えながら私達はカラフルな看板に近付いて行った。


ドキドキしてる自分とナゼか冷静沈着な自分が行ったり来たりしてた。




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