LOVE・ホテルに行こう。
「圭吾も辛い思いしてるんだね」


「そう、スゴーク辛い。近くに居るのに俺の事見てないって思うと」


春人の事を思い出す。
近くに居るのに…心が私を求めてないって寂しかった。人の心は不確かで掴めない。


好きだよって言ってくれたのに。
いつからか離れていった心。
人の心は難しい。


吹っ切るようにう~んと背伸びをする。


「圭吾、シャワー先にいいよ。お風呂はトイレの横だから」


「…その前に」


横に居た田村君が私を抱き締めた。


「何っ?」


突然の行為にびっくりする。


「‥ちょっとだけ。美久の匂い落ち着く」


「汗かいたから、ちょっ、やだ」


私の言葉を無視してギュッと抱き締める。


「苦しいよ、圭吾。ちょっ、ホント、息苦しい~」


腕を離して何にも無かったように


「シャワーしてくる」


さっさとお風呂に行った。


ハァ~。
ホント、強く抱き締めるんだもん、苦しかった。


好きな人の事考えてたのかな。
切ない恋心。


私は当分いいかな。
















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