LOVE・ホテルに行こう。
「お茶出しですか?大変ですね」


職場では敬語を話す田村君。
敬語を言われると先輩と後輩の関係になる。


「そうでもないよ、嫌いじゃないからお茶出し。パソコンばっかり見てるのも疲れるしいい気分転換になる」


「そうですね。たまには息抜きしないと疲れちゃいますよね」


「人数は12で間違いないよね」


「はい。そう聞いてます」


湯飲みの数をチェックして準備終了。


「準備、ばっちり」


3時までにはまだ20分ある。
一旦席に戻って5分前に来ればいいかな。


「田村君、先行くね」


「えっ。俺まだ終わってません」


「頑張って」


出ていこうとした私に


「手伝って下さい。俺、1人じゃ無理そうなんで」


すがるようにお願いする。


「さっき、俺だけで大丈夫って言ってたじゃん」


「さっきはそう思ったんですけど…可愛い後輩を助けて下さいよ」


ったく。
調子いいんだから。


雑談しながら書類を人数分振り分けてクリップで留める。
一緒に机を並べ書類を並べる。
椅子の位置を整えて終了。


「準備、完璧っ」


「私、必要だった?」


「もちろん。ありがとうございました」


ニコッと笑う、可愛い後輩。


「なら、いいけど」


なぜかその笑顔に嬉しくなる私がいた。









< 49 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop