LOVE・ホテルに行こう。
バスに乗り15分。
綾子さんのお店に到着した。


『cucina』とドアに書かれている。


「ここ」


田村君がドアを開けて私を先に行かせる。


外観は一見、何屋さんかわからない感じ。
中に入ると落ち着いた音楽が微かに聴こえてくる。


入り口は狭かったが中扉を開けると解放的な空間が広がっていた。


「いらっしゃいませ」


マダムって言葉が似合いそうな女性がこちらに来た。


「あらっ、圭吾君、お久し振りね」


「ご無沙汰してます」


「可愛いお嬢さん連れて、もしかしてデート?」


「えっ、あーまぁ。そんなとこです」


ウフフと笑い、マダムが私達をテーブルまで案内してくれた。


「綾子ちゃん、呼んでこようか?」


「イヤ、いいです。忙しいと思うしあいつ来るとうるさいんで」


「おまかせ料理でいい?お嬢さんは好き嫌いあるかしら?」


2人の会話を聞いていた私。
マダムの視線が私に向けられた。


「ありません」


「それなら良かった。美味しい料理ばっかりだから楽しみにしててね。えっと、飲み物はワイン?ビール?」


「白ワインでいい?」


田村君が私に尋ねた。


「うん。いいよ」











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