LOVE・ホテルに行こう。
「お待たせ」


テーブルに生ハムのサラダ。
海老とキノコのトマトソースパスタ。
イカと明太子のクリームソースパスタ。
茄子とベーコンのピザ。
一口サイズのライスコロッケ。


マダムが次々と料理をテーブルに並べる。


「これね、中はグラタンだから熱いわよ。食べる時は気をつけてね」


ライスコロッケの皿を出しながら私達に言った。


「ごゆっくり、どうぞ」


私達の顔を見ながらウフフと笑い去って行った。


「お腹空いたね。食べようか」


取り皿を私に渡して早速食べ始めた。


「久しぶりに食べたけどやっぱ、旨い」


「うん。美味しい」


料理の感想を言い合いながら時々ワインを飲む。


「コロッケもういいかな?私、猫舌だから」


「もういいかも。食べてみて、旨いから」


テーブルの料理がなくなってきた頃に


「来てくれたんだ。料理は満足していただけましたか?」


コック姿の綾子さんがキッチンから出てきた。


「やっぱ、旨い。ここの料理」


「美味しかったです」


「でしょ。美味しいでしょ」


可愛く自慢気に言う綾子さん。


「美久さん、また来てね。
と、これは私からのサービス」


お皿にのったティラミスとアイス。


「美味しそう。ありがとうございます」


「もちろん手作りだからね」


金曜日の夜。
忙しい綾子さんは慌ただしくキッチンに戻って行った。








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