LOVE・ホテルに行こう。
「木崎」


課長の呼び声に課長の席に行く。
決算書の分厚い書類を渡された。


「付箋が付いてる所の訂正を頼む。悪いが今日中に」


「わかりました」


今週は残業続きで帰りも遅くなってた。
仕事の合間で軽く夕御飯を済ませ残業するくらい。


「美久も残業?私も。この時期は毎年だもんね。解ってるけど年々、体が持たないわ。7時になったら休憩しようよ」


智子が話し掛けてきた。
珍しく立ち上がり肩を回しながら私の席に近付いてきた。


「直樹さん、1人で夕御飯?新婚早々、可哀想に」


「直樹は理解があるからいいの。
それより何食べる?ミサカのサンドイッチは?」


「いいね。後で買いに行こう」


私もグリグリと肩を回してパソコンに向かった。


肩がバキバキになり時間を確認したら7時前。


「智子。一段落しようか?」


「これまで打ち込むから。ちょっと待ってて」


パソコンを向いたままの智子。


「私が買ってくるよ。いつものハムサンドでいいよね?」


「お願い。ハムと…玉子サンドも、それとカフェオレ」


会社近くのパン屋。
たまにお昼に買いに来る。
お手頃なのにボリュームがあり美味しい。


パンを選んでいたらトントンと肩を叩かれた。


「偶然ですね。俺も買いに来ました」


「お疲れ。…田村君も残業?」


「はい。主任の分も頼まれて。
何にしたんですか?そんなに食べるんですか?」


私が持ってたトレーを見て言った。
トレーにのってる4つのサンドイッチ。


「智子の分もあるから」


「木崎さんなら全部食べれそうだけど、いつも食欲旺盛だから」


冗談を言う田村君に


「うるさいっ。私、先に行くよ」


残業続きで疲れてるのかな。
冗談を軽く受け流せばいいのにむきになって言い返した。


「待って下さいよ、久しぶりに話し出来たのに」


急いでパンを選び私の後ろに並んだ。











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