LOVE・ホテルに行こう。
つかの間の休憩を取る。


クフフ。
後ろの席から笑い声がする。
携帯見て笑ってる智子。


「どうした?」


「知りたい?」


「別にどうでもいい」


「えっとね~。直樹がね~。終わったら迎えに来るから電話しろって」


だと、思った。
幸せボケですか?そりゃー、なりより。


「美久も乗ってく?」


「いいよ。甘ったるい2人の世界を見る元気、今日はないから」


最後の一口をカフェオレで流し込み、再びパソコンに向かった。
やっと終った~。
9時前。
課長の席に書類を置いて今日の任務完了。


自分の席に戻りながら田村君の席を見たらまだいる。


う~んと腕をあげて背伸びをする。
私も帰ろっ。
智子は10分程前に帰ってた。


エレベーターに乗ったと同時に携帯が鳴った。


『俺も終った。すぐ行くから下で待ってて』


田村君からのメールだった。


5分程待っていたら田村君がエレベーターから出てきた。


「お疲れ様」


「お疲れ様です。行きますか?」


会社を出て駅に行こうと歩き出す。


「こっちだけど」


駅とは違う方向を指差す田村君。


「私、帰るんだけど自分のマンションに」


「俺のマンションに泊まればいいじゃん」


「疲れてるし、明日も仕事だよ?」


「…だったら俺が美久のマンションに行くから」


どうしてそうなるかな。
疲れてるって言ってるのに。


「今日は無理。明後日休みだから明日でいいでしょ?」


「今日がいい。明日も泊まるけど」


お前は大きな子供かっ。
駄々っ子みたいに言う田村君に心で突っ込む。


「もう~、解ったわよ。泊まればいいんでしょ?さっさと行くよっ」


疲れてて言い返す元気がない。
私が何か言った所で田村君が納得する訳ないし。


田村君のマンションの方にスタスタと歩き出した。








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