LOVE・ホテルに行こう。
「…いいの?」


ベッドに来た圭吾が私に聞いた。
私の意見は尊重するって言ってくれてたから。


「…うん。…いいよ、圭吾」


私の意見を言う。


「…美久」


圭吾の匂いが私に移る。
キスしながら滑り込む手は優しくて泣きたくなる。もっと強く抱いていいんだよ。


圭吾の動きに合わせ体を浮かさせて素肌をさらけ出す。シャツを脱いだ圭吾の肌に腕を回す。


「…美久、…俺が…欲しい?」


ドクン。
心が堕ちた。


「…圭吾が……欲‥しぃ…」


何もかも忘れて圭吾だけを見つめる。
圭吾、私を…欲しがって…。


「美久。……もっと、俺を欲しがって」


理性も夜の闇に消され、ただの男と女になる。
感じているのは体なのか心なのか解らなくなる。


「…み‥く‥」


無くなりそうになる意識の中で聞こえてくるのは優しい声。
私から圭吾を探す。


見つけた唇に唇が触れる。
少しの隙間から温かさが入り込みお互いを求めあう。苦しくなる息がもどかしい。


「…けい‥ご…」


呼ぶ声に反応して圭吾の手が私の頬を包む。
塞がれた口は言いたかった言葉を言えなかった。


…圭吾…好きだよ。


言えない言葉は心に隠さないとね。
だって…困った顔の圭吾が私を見つめるだけだから。


私は快楽を求めたんじゃない。
人肌を求めたんじゃない。


圭吾を求めた。


今日の圭吾は何を求めたの?
たぶん、答えは見つからない。


解ってるのは
ギブアンドテイクでつながってるって事だけ。

































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