LOVE・ホテルに行こう。
飛ぶイルカに歓声が止まらない。
私達も混じって歓声をあげて拍手してる。


「あの輪っかくぐるのかな?」


「見て見て、圭吾。水槽から頭出してこっち見てる」


私も子供になってる。
はしゃいでる自分が楽しかった。
離した手はしっかりと圭吾の腕を掴んでた。
無意識に、当たり前のように。


「まだ、館内、見るよね?」


さっきのクラゲの場所に戻り見ていく。
さりげなく繋いだ手は温かい。


一段と人が多かったのがグッズ売り場だった。


「見てみる?」


たくさんの大きなぬいぐるみが出迎える。


「柔らかっ」


ポンポンと頭を撫でながら触る。


「本当だ。柔らかいね」


私と同じように触り感想を言う圭吾。


亀がのったシャープペン。
クラゲの形のランプ。
魚の形のお弁当箱。
見てると楽しくなる。


「スノードームだっ」


ケースの中にはイルカがいる。
ひっくり返してスノーが落ちるのを見ていた。


「綺麗だね」


隣で見てた圭吾が言う。


「記念に買う?」


「いいよ。見るだけで」


まだ舞ってたスノードームを元の位置に戻す。


「圭吾、喉乾いたね。何か飲もうか?」


喫茶スペースに行き美味しそうな生搾りジュースを頼んだ。


「圭吾、ここから海が見えるよ」


窓際の方に進むと海が見えた。


「海もいいな。癒される」


見える海をずっと眺めてた。
空になったカップをごみ箱に入れ喫茶スペースを後にした。


「美久、俺トイレ行ってくる」


「じゃぁ、私も行ってこようかな」


休みの日は人が多い。
トイレも順番待ちだった。


先に待ってた圭吾に


「ごめん、待たせて。休みだから人多いね」


軽く謝る。


「俺も今来たとこ。行こうか?」


出口へと向かった。





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