LOVE・ホテルに行こう。
「美久、あちらのご両親にこれ持っていきなさい」


年明けの2日。
実家で4日間過ごして年末年始を過ごした。
圭吾の実家に行く私にお母さんがお土産物を渡してくれた。


年末の30日に圭吾と2人で私の実家に帰って来た。事前に圭吾と帰って来ると言ってたからご馳走を作って待っててくれてた。


緊張した圭吾を隣で感じながら圭吾が挨拶した。最初はみんな緊張してる感じだったが食事をして少しのお酒が入るとおしゃべりも増えていった。


結婚を前提に付き合ってると告げその後に
来年には結婚をしたいと私にも言ってないのにお父さんに話していた。


結婚って言葉は出ていたけど本気で圭吾が結婚を考えてる事が嬉しかった。
軽い気持ちで結婚って言葉を言ってないって事は解ってたけど。


お父さんもお母さんも喜んでた。
お兄ちゃんが美久でいいのかって冗談言ってたけど美久さん以外に考えられませんって真面目に答えてた圭吾。


緊張して疲れた圭吾を駅まで送り
待ってるからと圭吾に言われ何度も振り向く圭吾を見送った。


「美久、ご挨拶はしっかりしなさいね。
お正月だから人は多いし迷子にならないようにね。お父さんが駅まで送るって言ってたから呼んでくるから」


いつまでも私を子供だと思ってるのか心配してあれこれ言ってくるお母さん。


「美久、行こうか。エンジンかけとけば良かったな。エアコン、すぐ効けばいいけど」


冷たい空気の車にお父さんと乗り込む。


玄関先でお母さんとお兄ちゃん、香織さんと甥っ子のたっくんが手を振って見送ってくれた。


「美久、気を付けてな。
それと美久の実家はあそこだからな。
何かあればすぐに帰ってくればいい。
家族なんだから遠慮することはないんだからな」


私が帰ってこない事を気にかけてたのかな。
お父さんの言葉に泣きそうになった。


私の家族。
家族だから家族が居るから私には帰る場所がある。今まで考え過ぎてた私がいなくなる。
素直な自分がお父さんの言葉をすっと受け入れる。


荷物を持って構内まで送ってくれたお父さんと別れて圭吾の実家に行く為に電車に乗った。









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