LOVE・ホテルに行こう。
半年前に別れた元彼。
合コンで知り合い付き合って1年。


結婚の文字がちらつく年頃。
このまま付き合ってればいつかはするんだろうなって漠然と思ってた。


『…ごめん。…好きな人出来た』


別れの言葉。


薄々わかってた。
気持ちが私に向いてない事。


ちょっとした仕草や言い方で愛情が薄れてた事。


『…わかった』


納得して告げた、私のサヨナラの言葉。


どうして?
なんで私じゃ駄目なの?


スガル言葉も出ない程、淡々とした別れ方。


その彼が近々、結婚すると聞いた。


別に未練がある訳ではない。
もしも街で偶然会ってもおめでとうって言えると思う。


…なんでだろう。
今の自分が幸せって思えないからなのかモヤモヤした気持ちが消えない。


…複雑なオンナゴコロ。


沈んでる心にはまだ理由がある。


お盆休みが来ても実家に帰ろうとは思わなかった。両親は実家にいるけど…。


3年前に兄の結婚に合わせて前の実家を取り壊し二世帯住居を建てた。


私の部屋も取り壊しと同時に無くなった。


私が帰ればみんな喜んでくれてお母さんがご馳走作って待っててくれてる。


だけど、私の居場所はもう無いのだと感じてしまったら年々と帰る頻度は減っていった。


実家に帰る事を躊躇う寂しい感情。


< 9 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop