once again
*3
「今日は種目決めしまーす。先生は職員室にいるから、決まったら呼びにきてねー」
先生が出て行くのを確認すると
いきなりざわつく教室。
(あたしは確か…障害物競走だったかな)
「石原」
「直汰…じゃなくて、羽瀬くん、どした?」
「何に出んの?」
「えっと、障害物競走かな、羽瀬くんは?」
「俺も障害物競走出るわ!」
(嬉しいけど確か…)
「直汰ー!お前は学級対抗リレーだかんな!」
「えええー!」
(やっぱり…)
サッカー少年で足の速い直汰は、毎年クラス代表だった。
ちなみに、宮っちもだ。
「石原と同じ種目がよかったのに…」
「なんか言った?」
「え、いや、別に」
本当は今バッチリ聞こえてた。
あの時のあたしは鈍感で不器用だったけど
今はもう、一度経験してるから
1枚上手っていうわけだ。
「羽瀬くんのリレー、応援してるから…」
直汰はそう言っただけで真っ赤になった。
直汰には申し訳ないけど
タイムスリップもいいかな、なんて思った。