once again



学校へ着くとタイミングの悪いことに
バッタリと直汰と出くわしてしまった。


思わず隠れる。


「石原っ、おはよ!」


あいにくバレてたみたいだ。

てゆーか、よく考えたら、朝カレンダーは5月だったから、あたしはまだ直汰と付き合ってもいないし、別れてもいない。


「なんだ…気まずくなる必要ないじゃん…」

「なんか言った?」

「え、いや、おはよ!」


そう言うと直汰はニコッと笑った。


「よかったあー!俺、挨拶してもいっつも石原に無視されるし嫌われてんのかと思った…」

(それは単純に恥ずかしかっただけ…)



直汰もわかりやすいなあ。

中1の頃のあたしじゃわからなかったけど
そんなセリフ、もう告白してるも同じように聞こえる。

好きじゃない女子に挨拶する男子なんているだろうか。


(純粋に好きだったんだな、直汰も。あたしも。)



無邪気に笑う直汰は、中3になってもずっと変わっていないと言うのに。


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