向かい側のキミ
恋のはじまり
「今日も笑ってた」
「笑ってた?
あっ!もしかして例の爽やかボーイ?」
わたしがボソッと呟いた言葉を、親友の坂口南(さかぐち みなみ)が拾う。
南とは高校生になって初めての友達で、二年生になった今でもクラス替えがないため、ずっと一緒にいる
「爽やかボーイって…………」
「てか、そんなに気になるなら話しかければいいのに!」
「そっ、そんなことできないよ!!」
わたしには、そんな勇気ない。
「なんで?好きなんでしょ?」
「すっすっ好きっ!?なの、かなぁ?」
「えー!?なにその曖昧なかんじ」
「だっだって話したこともないし、名前も知らないんだよ!?」
「そんなの、関係ないよ!」
「んー。」