スパイガール

二人の間の大きな壁。

ギギギギギー。

「おーい、大丈夫か?心配したぞ」

扉が開いて、先生がいた。


「すいませんでした。ありがとうございます。」

「まぁ、無事だったならいい。いくぞ!」


私は、体育倉庫から出ようとしたけど、
がしっ!っと、里樹に腕を掴まれてしまった。



「だったら、なんで俺がキスした時拒まなかったんだよ、なんでそんなに、辛そうで泣きそうな顔してんだよ、そんな顔でふられても、納得する訳ないだろ」


里樹......すごい震えてる。


でも、ごめんね。里樹。こんな時でも私はあなたに、優しい言葉一つもかけられないの。


「お願いだから、私のことは忘れて、違う人と幸せになってね。」
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