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付き合ってから好きになってくれればいいといわれて弥と付き合うことを決めた。
好きにはなれなかったけどそれでも自分なりに向き合ってきたつもりだ。
あんな男にこの2年時間を割いてきたと思うとさっきよりもムカついてきた。
「あぁもうっ...」
こんなイライラしたままじゃ何をしても楽しくない。
飲んで忘れよう。
お酒に強い自分が酔えるかはわからないけど飲まないよりはマシだ。
「はぁ....」
忘れられるほど酔えてはいない。
でも眠くなる程度には酔いが回ってきた。
「....さむ」
暖かくなってきたとはいえやはり夜はまだ寒い。
帰らなければいけない。
でも眠いし飲み過ぎてせいで気持ち悪くなってきた。
「大丈夫?」
.............。
「君だよ」
ん?あれ、私?
顔をあげればそこには心配そうに眉を下げる整った顔があった。
「あー...大丈夫ですよ。ちょっと酔いが回っちゃって。10分くらい休んだら帰ります」
ほんとに眠くなってきた。
10分といわず朝まで寝られそうだ。
「だめだよ。この辺りはこの時間くらいになるとがらの悪いやつが多くなるから」
ふぅん、と私に向かっていっている言葉だとわかっているのに聞き流してしまう。
「はぁ....」
彼がため息をついた次の瞬間に感じた浮遊感。
あぁ、抱き上げられたのかと理解したのと同時に私は意識を失った。