短編集‥*.°
「…ありがと。この下じきで書くと、
いつもより字がキレイになるから」
池原は受け取ったそれをノートの下に
引くと、何かの文字を書き始めた。
ノートでも写してるのかな。
真面目だねえ。
でも、なんで、アタシの下じきだと
字がキレイになるんだろう──。
「…ほら、な。キレイだろ」
再び池原に話しかけられて、隣を見る。
何か文字を書いたらしい。
見せつけられた白紙のノートの中に、
池原の書いたらしい文字を探す。
──と。
見つけた。
白紙の、ど真ん中。
…『好き』って。
「…な、キレイだろ」
…なんでその言葉を選んだ。
お前は乙女か、おい。
なんだ〝好き〟って。
…すきって。
男子もそんなの、書くんだ。
ちょっと混乱してから、返事をする。
「キレイ…だね」
「だろ」
その、池原の得意げな顔と
やけに整った『好き』の文字に、
アタシの胸は、なぜか高鳴った──。
—完結—
友達からお題をもらって書いた小説。
その友達に小説のノートを渡すと、
挿絵を書いてくれるから、
すごい嬉しいんです(絵が上手い)
…ですが、パパッと書いたので、
かなり酷い文章&早展開です。
…閑話休題。なにやら恋の予感ですね。
趣味度は、45%くらいかな。