短編集‥*.°


あの、気持ちこもってないって…
どういう事?

せ、精一杯 謝ったんだよ?

え、な、なんで!?


「あのさぁ…んな、
ベッドから離れた所で言われて…
気持ち伝わると思う?」


…え。

言われてベッドとの距離を見れば。

…私は保健室の扉の前。

その人は、奥のベッドだ。

…確かに、
気持ちは伝わらなかったかもしれない。

…でも、あんな言い方しなくても…


ベッドに近づいて行って、
隣に立つと、謝ろうとした。


「あのっ…ご、ごめんな…」


…ガサッと音がした。

…え、毛布が…めくれてる?


「普通、謝るって言ったら、
 こうだろうが?」


…は?

…え、え、えええええっ!!!?


わ、私…

この男に…



キスを、された。



息が…できないっ!!

さん、そ…を…


「…な?」

「ぷはっ!!」


苦し…かった…

驚いて、その人を見ると…

…妖しく、笑ってた。


「俺は真沢 雪也。お前は?」

「え…と、や、山春 桜子…」

「ん、桜子な」


真沢はそう言うと、立ち上がった。


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