短編集‥*.°
「えと、その…
どういう事でしょう…?」
「私、タカシさんから
ミズキさんの事 聞きました」
サヤさんは、
よく意味が解っていないアタシに、
説明を始めた。
こうなっては、
説明を聞く他に術はない。
「あいつはキスも下手だし、
セフレとしても失格だったから、
別れた。
タカシさんはそう言ってました」
はぁぁぁぁあああ!?
何様のつもりなんだよ、
あの男は!
もしかしてだけど、
自分はモテるとでも思ってるの?
…突然 憤りが込み上げてくる。
「…あの時は勝ち誇った気分でした。
タカシさんの元カノに…あなたに」
サヤさんが再び説明を開始し、
アタシはとりあえず
憤りを押し殺した。
「でも、あの時の私は馬鹿でした。
あの男、女を
オモチャとしか思ってないんです…」
サヤさんの気持ちが、
とても理解できた。
タカシは、女性の事…ただの、
性欲を満たすための道具としか
思ってない。
だからアタシも…別れたんだ。
「なので…。
今日…別れてきました」
…唐突に、サヤさんが言った。
…アタシは。
唖然と口を開くしかなかった。