短編集‥*.°
そして、昼休み…マリネに連れられて、
生徒玄関付近で、河端先輩に会った。
「君がルミちゃん?よろしく〜、
マリネの彼氏の、河端 シンです」
「あ…よろしくお願い、します…」
河端先輩と話した事はなかった、けど…
なんだか、チャラい印象を受けた。
初めて会って、『ちゃん』付け…
こういう人は、少し苦手だ。
…それより、河端先輩の隣に立つ人に、
見覚えがあった。
「で、こいつが俺の親友の…」
「あ…お前 昨日の」
…その人が、河端先輩の声を遮る。
「…はい。あ、うん」
昨日、
屋上で出会った、あの人だった。
「なに?もしかして知り合い?
ルミと?」
「いや…」
肘で脇腹辺りを
突ついてくるマリネを置いて、
とりあえず動揺を隠し…
自己紹介をする。
「…萩村 ルミです、
よろしくお願いします…」
「…あ、俺?…俺は山岸 シュン。
敬語いらねえから」
…山岸 シュン…先輩…。
名前を聞いた途端に、
少し、胸が波打った。