短編集‥*.°
…ほら、アタシよりも十センチくらい、
紺色のチェックのスカート、
上げてるし。
あと、珈琲と紅茶好きらしいし。
「いる?はい」
サエカも飴玉を口の中に放り込み、
美味しそうに、訝しげに、
アタシの方を見ながら、舐めている。
…複雑な味。
アタシは、
ただシンプルに甘い方が好きだ。
サエカはただ一言、「ありがとう」と
言っただけ。
アタシから離れていき、ざわざわと
騒がしい教室の向こうの方に立つ
ミクって人と話し出した。
たまに、アタシの方を見ながら。
…噂で聞いたっけ。
ミクって人、アタシの事が嫌いだって。
…あーあ、複雑。
もっと単純になればいいのに。
その後、部活も終わり、
アタシは体操服のまま帰宅についた。
ルリと一緒に。
アタシはバスケ部、ルリもバスケ部。
サエカは吹奏楽部、
ミクって人も吹奏楽部、だっけ。
とことん合わないらしい。
家に着くと、グーグーといびきを
立てて…かは知らないけど、
ベッドで寝た。
そうだな…三時間くらい。
五時に帰って三時間 眠って、時刻は
午後八時。
ご飯 食べて風呂に入って、すでに
時間はもう十二時。
あーあ、寝すぎたなあ。
昼間…夕方か。
夕方に眠った事を軽く後悔した。