短編集‥*.°


お父さんもお母さんも、とっくに
寝ただろう。


アタシも、
もう歯磨きすら終わらせたし。


…当たり前か。


寝る準備の一つだから。









窓を開けて、ベランダに出た。


足が冷たくて、そして、ベランダが
汚れているのか…少し足の裏が
ザラザラする。


空は星が瞬いている。


幸い、アタシは視力は良い方だから、
星の一つ一つが綺麗に見えた。


…眠らないってのも手か。


まぁ、明日学校だし、
日中がしんどくなるから避けたいけど。


そうだ、それに肌も荒れるし。


光は夜空を埋め尽くして、地上に
星の粉をまぶしているかのようだった。


…お昼の事を思い出した。


あの、アタシにはとても不味く
感じられた紅茶&珈琲味の飴玉。


サエカがアタシに向ける疑いの目と、
ミクって人の嫉妬の眼差し。


サエカをアタシに取られたとでも?


親友が取られるのが怖いのか、
他に友達が居ないのか…。


…どうして、独りが怖いんだろう。


アタシは独りも、好きなんだけどな。




サエカは確か、
ルリが嫌いなんだっけ。


サエカの “ 自称 ” 親友のアタシがルリと
仲良くしてるのが嫌って、ミクって人に
言ってたのを聞いた事がある。


ま、気にしてないけど。


アタシはルリが好きだもん。


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