短編集‥*.°
緩やかな風が吹き、
ガーベラや、ハルシオン、
シクラメンなんかも揺れて。
「君は強い。大丈夫だよ。
もしもまた、辛くなったなら、
もう一度ここに来れば良い。
話しかけるの、僕じゃなくてもいい。
絶対に話を聞いてくれる。
少なくとも、中庭の花はね。
きっと、誰かが咲いているからさ。
――君のために」
ふわっと何かに包まれて、
私は意識を失って、また。
意識を、取り戻す。
起きたのは、教室で、
授業をしている最中だった。
手の甲を見る。
特に普段と変わらない、
包帯もしていない私の手だった。
騒がしい教室だから。
居眠りしている事に
気づかれなかったのかも。
だとしたら、ラッキーだ。
窓際の席、
見下ろすのは中庭の花。
君のために花は咲く、か…。
私も、そんな人間になってみたい…
いや、なりたい。
絶対に、なる。
キーンコーン、とチャイムが鳴る。
私はもう、
負けたりはしない…。
他人のために枯れる事は、
絶対にしない。
私が君のために咲かせた花を、
無駄にする事になるから。
—完結—
…意味不明な話が多いです、私の短編。
最後の主人公のセリフ、
人によって解釈が違えばいいな…と
思い、結構 言葉選びに悩みました。
あ、補足…のようなもの…
白いガーベラの花言葉は『希望』です。
余計だったかな。
趣味度は…まあ、86%ですかね。