ついたみ学園!
ーガラッ
「は〜い皆さん!ホームルーム初めまぁす」
予鈴が鳴ると同時に、担任の舟橋先生が教室に入ってくる。
待ってました!とばかりに、全員がいそいそと席へと戻っていく。
「こほん、では!皆さんおはようございます!えー、今日は昨日話した通り、転校生が来ていまーす!女の子ですよ!」
どっと歓声が湧き上がる教室。
そんなに嬉しいか?
かけるも目でこちらに合図を送ってくる。なんてうっとおしいウインクだこの女好きめ。
「では、こまめさーん!」
こまめ?
聞き覚えのある珍しい(というか面白い)名前に、俺はぴくりと反応した。
「し、失礼しま〜…す?」
ゆっくりとドアを開け、教室に入ってきた人物を見て、思わず目を見開く。
斜め後ろに座る幼なじみのさきを見ると、同じく驚いた表情で口を開けていた。
「ではこまめさん、自己紹介を!」
「あ、はい、えっと!伊藤こまめって言います!昔こっちに住んでて、また帰ってきました!よろし……」
自己紹介を中断し、こまめと名乗った転校生は俺とさきを視界に捉える。
「あーー!!!!!あずま!!!さきたーん!!!やだ!!同じクラス!?!?久しぶりぃいいい!!!!」
自己紹介の途中という事も忘れ、こまめは俺たちの方へと駆け寄ってきた。
そう、こまめと俺とさきは元々幼なじみ。小学生の頃こまめが転校してしまったのだが、まさか戻ってくるなんて。
「こまめー!!!なんでなんで!?やだー嬉しい!!!」
さきは一緒になってはしゃいでいる。
ハッとしてクラスを見渡すと、皆ぽかーんとしている。
これはやばい。
「おい、おいこまめ!」
小声で話しかけたのにこまめは大声で返してくる。
「あずまー!!久しぶりあずまー!!おっきくなったねえ!!」
「うるせーよ!!…っじゃなくて、お前!自己紹介の途中!!」
一瞬沈黙し、こまめは周りを見渡す。
そしてみるみるうちに耳まで真っ赤になり、慌てて口を開いた。
「や、やだ私、ごっごめんなさい!」
そんなこまめを見て、クラス全員が爆笑。
「こまめちゃん面白い〜」
「あずま達と友達だったのかー!」
そんな声の中、こまめは縮こまってあわあわしていた。(とても面白い)