The roof
「……ま、真奈は……」
言葉が詰まる。
決して、最悪な返答をするつもりはない、
むしろ最高の回答がを考えている。
でもそれ以上のことを言わなければいけないと考えるとどうしても言葉か出てこない。
「…ごめん、さっきの忘れて。
俺、そろそろ戻らないと………」
キミは立ち上がり取っ手に手をかける。
「あ………ゆぅ」
『キー………バタンッ!』
言いかけた瞬間、ドアが勢いよく閉まった。
急いで追いかけようとドアに駆け寄る、
でも追えなかった。
ドアノブを掴む手はすーっと金属を掴むことはなくだらんと垂れてしまったからー
それからキミはここに来なくなった。
ワタシは身体の力が抜けていくのを感じた。最初は左手、右手、左足、右足と段々と力が抜けていき、立っていられないほどだった。ドアの横でワタシはもたれかかりながらキミを待った。
毎日、毎日……。
「ゆぅ………き」
このままいけばワタシの夢が叶う、だけどキミにワタシのことを話せなかった。
キミにホントのことを言えなかった。
その後悔がワタシの身体に僅かな力を与えた。