恋をした私は溺れてゆく
そうじゃない


欲求不満だった?


そうじゃない


欲求不満だった訳じゃない




乾いていた

乾ききっていた


私に咲いていた花は
すっかり枯れていた



だから
水が欲しかった訳じゃない





突然に降り出した雨


乾ききっていた私は


雨を吸い込んだ


自分でも驚くほどに


すんなりと吸い込んだ




再び潤った土は

乾きを知っていたからか


再び乾くことを怖れるかのように

雨をどんどん吸い込んだ





そして私に再び花は咲いた




枯れていた花は
土の下に
静かに種を残していた


その花は怖ろしいほどに


狂い咲き
きっと
狂い散る




もう種を残せないほどに

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