恋をした私は溺れてゆく
強がり


強がり……

馬鹿みたい。



待つのは平気だけど
連絡も無く待つのは
不安で虚しく……
本当は……悲しい。




彼じゃなきゃダメな理由なんて無いのに。

寧ろ彼じゃなくていいことは分かってる。



でも彼を待っている。

カフェで時間を潰しながら

彼を待っている。



全然平気な文章を送りながら

馬鹿みたいに彼を待っている。



強がり……馬鹿な私……




こうしている間にも

彼が現れた時の顔を想像している。

彼との逢瀬を思ってしまう。



強がりなだけじゃない。
呆れるほど馬鹿なんだと思う。



真っ暗な画面を眺めながら思う……

『まだ仕事してるのかな……』
『本当に来るのかな……』
『面倒くさくなったのかな……』
『……私に飽きたのかな』

溢れ出る不安に潰れそうな心。









パッと画面が明るくなり
携帯が小刻みに震えだす。

画面に浮かび上がる彼の名前。



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