見上げれば

「あの、」

「ん?」

「いつもあの電車に?」

「…聞くとこそれかい。
ま、いいや。そうだよいつもこの時間」

「そうですか」




「―ほら着いたぞ。また図書室でな」


これは社交辞令?
それとも約束?


分からない。分からないけれど


植え木鉢から芽が出たのを見つけた時のような
温かい気持ちになっていた。
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