見上げれば
―…放課後


いつも通り踏み台に乗っていると


「ここにいたのか」

振り向けば朝よりも目線が近くなったあの人が。


「お前、その本何回目だよ」

フッと笑って私の手からひょいと取り上げた。

「懐かしいな…これ読んだとき、
自分を見透かされた気がしたよ」


…―っ

同じだ。私も、私もそう思った。



「ふふっ」

思わず笑みがこぼれてしまった。



「いいね。その顔」

と目の前の人はニヤリと笑う。






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