見上げれば

私はアヤちゃんの名前は出さずに
自分の不甲斐なさを先輩に話してみた。

「なるほどね」

「はい…」


「要するに経験値の問題だ」

「未経験者は何を言っても説得力はないですか?」


「だろうな。
これは推測だが友達は説得力のある言葉が欲しいワケじゃない。お前に求めているのはもっと別のものじゃないか?」

「え?」


「だから、ただ聞いてるだけでいいんだよ」

「でも…」


「納得していない顔だな。
今だって俺は大したアドバイスなんかしてないぞ。
8割はお前の話を聞いていただけだ」

「まあ、そうですね」


「聞いてもらうだけでスッキリするだろ?」

…確かに


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