見上げれば

―…



「着いたぞ」

「…はい」

たった3駅だけど
長かったような、短かったような。


ただ1つ言えることは、
頭が真っ白。思考停止。
…こんな状況本当にあるんだ。


しばらく呆けていると



「またボケーっとしてる。仕方のないやつだな」

と先輩はスッと私の右手をとって歩く。


温かい。温かいな。


私は先輩の手についていくだけで 精一杯で

だけど心はポカポカしてて

チラッと右斜め上を見上げは口元が綻んでしまうのだった。
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