見上げれば

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「おーい」
「おーい栞ー」
「お昼ですよーご飯ですよー」



「栞!」

はっ!!

「あ、アヤちゃん」

「お昼だよ」

「あ、そうか」


「何をボーっとしてるかねえ。どうせ佐藤先輩でしょ」

…はい。当たりです

「佐藤先輩の考えてることが分からないとか?」

「ううん…違う。そんな立派なことを考えていたんじゃない」


「じゃ何よ」

「ただ…」

「じれったいわね」

「ただ…今朝の出来事が頭から離れなくて…
何度も脳内回想してしまうんだよね…
ってアヤちゃん?」


アヤちゃんが固まってる。

「バンザーイ!!」

「アヤちゃん!?」

「うっうっ、お母さんは嬉しいよ。
娘はちゃんと成長していたよ」


…何を言っているんだ。
大体にしてこの前はお姉さんじゃなかった?
いつからお母さんになったんだ。


「ドキドキしちゃったのかな~?どうなのよ!?」

「うーん。むしろパニック?」

「あ、そう…まあいいや。確実に成長はしているか」

「ねえアヤちゃん、私もアヤちゃんの話を
ちゃんと聞くからね」

「ふふ。それは頼もしいわね」
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