見上げれば

「アヤちゃん…」

「んー」

「 メールが来ないときってどんなとき?」

「なに?佐藤先輩?」

「うん…」


アヤちゃんは箸を動かしながら

「そうねー本当に忙しいか、面倒か?」

「えー2択しかないの」


…今日で5日目になる。

「淋しそうねぇ」

そう。
私は気持ちが『つまらない』から『淋しい』に変わった。


「一歩一歩よ」

「え?」

「そうね、例えるなら階段かな」

「わかんないよ」




「とても長い階段があったときに
一度に駈け上がるのは無理よね?

そして人によって上るスピードも違うから
当然だけどゆっくりの人も速い人もいる。

でもどちらも休憩なしじゃ倒れるよね?」


「うん」


「今は休憩の時だと思ったら?
焦っても仕方ないでしょ」


休憩か…

「みんな頑張って上ってるんだよ。
栞だけじゃないよ」


「…うん。ありがとう」


階段に終わりはあるのかな?

そこに先輩はいるのかな…


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