見上げれば

「栞が思っていること、考えていること
話したら離すよ」


――っっ

何かが切れた


「先輩だって何も話さないじゃないですか!

…私に言いたくないことがあるんでしょう?」


ズキズキする


バッグから本を取りだした

「お借りしてた本です。…ありがとうございました」



早くこの場から離れよう
早く学校に行かなきゃ
そう思うのに
先輩が離してくれない


…痛い

手が痛い。頭が痛い。心が痛い。


泣きたくない

泣いたらいけない気がする

泣いたらズルい気がする

だって私と先輩は…そんな関係じゃない

いつから私はこんなに涙もろくなったんだろう

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