見上げれば
恋の行方
―――……
「………り…しおり」
「栞、起きろ」
―んん
「栞、もう昼休みになる。起きろ」
―え
「ええっ!?」
…あれ?
「あれ?智輝先輩?」
「あれ?じゃない。昼休みになって人が来たらマズイだろ」
えーと。私は確か…
記憶をたどる…
!
わ、私あのまま…
「ふっ、おはよう」
しまった!授業…
違う。授業じゃない
私寝ちゃたんだ
しかも抱きついたまま…
な、なんたる失態
恥ずかしすぎる…
「移動するぞ」
「へ?」
「ほら、立て」
先輩と私は誰にも見つからないように学校をでた。
ドキドキするのは初めて授業をさぼったから?
違う。私はもう知ってる
先輩がいるからだ
―もう頭は痛くなかった