見上げれば
―ない。
ここ新刊コーナーだよね?
なんで?
「何を探してるんだ?」
声の方を振り向くと、背の高い男子。
…いや、私が小さいのか。
「今日は新刊が入る日ですよね?」
「いや、入らないよ」
「ええっっ!?」
「業者の都合で昨日になったんだよ」
…ということは
誰かに先に借りられたー
やっぱり図書委員になればよかった。
なろうかとも思ったが、
委員になれば当然委員としての仕事があるわけで。
仕事してたら読めないではないかと思いとどまったのだ。
「予約する?」
「はい…」
ああ…貸し出し期間は2週間だから、
長くても2週間は待つのか…
落ち込みながら予約用紙を記入して
仕方なく別の本を探しに棚へ向かう。