願い事叶えます



ケンはあの魔女から解放され清々しい気分で歩いていた



しかしふと周りを見渡すとさっきまでたくさんいた人々が何故かいなくなっていた



「ん?」


怪訝に思いきょろきょろとすると一人の人物がこちらにむけて駆けてくるのが見えた



「…誰だ…?」



ケンはどうすればいいのか分からずただそこに突っ立っていた



その人物はケンの目の前で止まった



「あの!…本井ケンさんですよね…!?」


「ああ…そうだが」



あなたはどなたですか



そう言いそうになるのを必死で堪えた



自慢ではないが人の顔を覚えるのは至極苦手だ



もしかしたら高校時代の同級生か


はたまたつい最近友達になったのか



知り合いだった場合どなたですか、なんて尋ねるのは失礼だろう



「あのわたし、鈴宮晴美といいます!

覚えていませんか…!?」



「え…あ、いや、あー…


覚えてない…」



正直者なのだ自分は



覚えてない、と聞くと鈴宮晴美は残念そうに肩を落としたがすぐにケンの方を見上げた



「2週間くらい前に助けてもらったんです!あなたに!」



鈴宮晴美がそう言うのを聞き、ケンは思い出した







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