願い事叶えます




ホシは少し頬を膨らましながら箒に乗り、空高く飛んでいた



ふと下を見ればある家の屋根の上で白猫がこちらをにやにやしながら見ていた




ホシはむっとしてそのにやにやしている白猫に近づいた





「人をそんな風に見ないでもらえますか」



「なんだよホシー。そんなにいじけて」



「別にいじけてなんかいないんです!

ただあの人、もうすこーし女の子に対する気遣いがあってもいいと思うんです!

なのに、付きまとうなって…。

私はストーカーじゃありません!!」



「ご立腹だなあ…ホシ…。

でもケンは女の子に対する気遣いあるんじゃない?

だって告白されてたし」



シロがそう言うとホシはシロをちらりと横目で見てため息をついた



「見てたんですか」



「うん。なかなか面白い。


ところでホシはどこに行こうとしてたの?」



シロがそう尋ねるとホシはまたため息をついた



「兄様のところへ」


ホシが言うとシロは目を丸くした



「なんで…!?

ホシ、ホシ兄のこと嫌いじゃん」


「嫌い、ですけど…。少し気になるんです。

私の星に触れたくせに願い事がないなんて…。

だから本当は嫌ですけど…兄様に聞きに行くんです」



ホシは拗ねたように言った



「そっかあ。まあそれがいいだろうなあ。

ホシ兄はホシよりそこら辺は詳しいしね」



「シロも行きますか?」


「僕は…いいや」



「あなたもまた兄様のこと嫌いですね」



ホシに言われるとシロは苦笑した




「大丈夫。行っておいでホシ。

ケンは僕が監視してあげる」



ホシはシロに頷き、また屋根を蹴って飛び上がった



「では、2、3日留守にします」




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