願い事叶えます
ケンはちらちらと背後を気にしながら歩くも、誰もケンなんかをつけてはこない
夕方にもなり、そろそろ学校を去ろうという頃になってもホシが現れない
言い過ぎたか…?
いやいやいやいや
いいんだこれで
これで妙な魔女に付きまとわれなくてすむ
ケンがそう思ったとき、ケンを呼ぶ声が不意に聞こえてきた
「おーいケン!」
前方を見ると、昨日ケンがほったらかしにした友人がいた
彼の名は鈴宮剛
ん?
鈴宮…?
鈴宮という苗字にケンが何かひっかかっているうちに剛はケンのすぐそばまで来た
「で!どうなんだよケン!
あの電話の可愛い声した女の子は彼女か!?
彼女なのか!?早いなあお前」
「いやいや…違う。あいつは…えっと」
なんて説明すればいいんだ一体
いや、実は魔女に付きまとわれててさ
勝手に電話使われたんだ
頭おかしいだろ
ケンは頭を抱えた
くそ
どうしたら狂ってると思われずに説明できる…!?
「…ケン。いや、なんか悪いな!
聞いちゃまずいこと聞いちまったか?おれ」
ケンの様子を見て剛は苦笑しながら言った
何か勘違いされるかもしれないがこれは幸いとケンは頷いた
「そっかあ…!
そうだよな。誰にでも聞かれたくねェこととかあるよな!」
ケンはまた頷いた
あれちょっと待て
ここにきてケンはある疑問を感じた