願い事叶えます



加代子は学校に行き、教室に入っていった


加代子が教室に入ると騒がしかった生徒達は一瞬静かになり、またすぐにお喋りを開始した



加代子は席につき、落ち着かないような表情をした



「…魔女さん…あなたの姿他の人には見えないの?」


加代子の後ろを箒に乗りぴったりとくっついてきた魔女に加代子は尋ねた


「ええ。今はあなたにしか見えていません。

ところであなたをいじめてる人はどなたですか?」


加代子は魔女に聞かれそっとある3人の人物を指差した


金髪や明るい色の髪に染めてる女子3人組だ


「なるほどなるほど」


魔女は頷きながらふわふわと飛んでいき彼女らのすぐ傍まで行った



加代子は見つかるのではないかとはらはらしたがそんな心配は無用のようだ


彼女らは全く魔女に気づいている様子がない


「で、どのようにしたいのですか?」


魔女に聞かれ加代子は少し悩んだ


とにかく彼女達を見返したい…

そして二度と自分をいじめないようにしてやりたい…




じっと彼女らを見て考えていたので彼女達は加代子の視線に気づいたようであった


加代子はぎくりとし、視線をそらしたが彼女達3人は加代子に近づいてきた



「何みてんの?」


1人の子が言ったとき、その子が大胆に、こけた



幼稚園児でもあそこまで見事にこけることはできないだろう


教室内はまた一瞬静かになり、それからくすくすと笑い声が聞こえてきた


「今、何もないところで転けたぜ」


「いや、それ以前にあの転け方っ」


転けた張本人は顔を赤くしていた


それは羞恥からなのか怒りからなのかわからなかった



生徒の笑い声に混ざりくつくつと魔女も笑っていた


「見事です」


加代子は面白くなってきて思わず吹き出した


それを3人に見られ、思いっきり睨まれた



「何笑ってんだよ!!!!殺すぞ!!!!」


転んだ子を庇うように残りの2人が怒鳴ると教室中静かになり、微かに緊張が走った



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