願い事叶えます
シロの前に現れたホシは軽く驚いていた
「あら…?ねこ…。まさか猫が願い事をしたのですか…!?
どうりで願い事が聞き取りにくいわけです。
だって私猫語知らないんですもの。
じゃあもう一度願い事を私に唱えてください」
シロは瞬きホシに向かって一声鳴いた
「にゃーお」
「…」
ホシは真面目な表情でシロを見て頷いた
「全く何言ってるかわかりません。
よし!こうしましょう」
ホシはそう言うとシロの額に指をくっつけた
「"トーク オブ パーソン"」
ホシが指を動かすとその指の動いた後にオレンジ色の光りが生まれた
シロがその光りを見つめていると体に違和感を感じた
「喋ってみてください。
あなたはもう人間の言葉を話せるはずです」
「……魔女だ…!!」
シロはホシの正体に驚き、そして自分が人間の言葉を喋ったことにもっと驚いた
「…!!」
「…第一声がそれですか…。まあ…いいでしょう。
さああなたの願い事を唱えてください。
私が叶えてあげましょう」
ホシは微笑を浮かべながら言った
「僕…と、友達がほしい…んだ」
「友達」
ホシはシロの言葉を繰り返し少し考えふっと笑った
「じゃあ魔法は使うまでもないですね。
私があなたの友達になりましょう」
「え…」
シロは瞬いてホシを見た
ホシは別に冗談を言っているわけではないようだった
「ほんとう?」
「ええ。もう私達はお友達です。
そして本来私は願い事を叶えたら報酬を貰っているのですが…」
と言いホシは困ったようにシロを見た
「猫さんが何か持っているとは思えませんね…。あ、そうだ」
ホシはぽんと手を打ちにっこり笑った
「報酬にあなたの名前をつけさせてください」
「なまえ?」
「ええ。そうですねえ…」
ホシはじっとシロを見た
「シロ」
その時シロは本当に嬉しかった
友達もできた
名前ももらった
この日は今まで生きてきたなかで最高の日だった