願い事叶えます






石井千尋は普通に道を歩いていた








特に何を考えていたわけでもないのだが、

次の瞬間には本当に何も考えられなくなった





目の前から歩いてくる男に目を奪われた

















すんごくタイプ…!!








ああどうしよう…声かける…?


嘘まさかの逆ナン?



そんなあたしはしたなくないわ…!





千尋が必死に頭を動かしているとその男と目が合った






その男は千尋を見て微笑んだ











わ、





笑いかけられた!!!






どうして!?まさかあたしに気があるの!?





そうやって考える千尋の足はどんどん早足になっていった





「あ…」




気づけばさっきの男は見えなくなっていた






「しまった…あたしったら…。

やっぱり声かけるべきだったわ…。ショック。


運命の人かもしれなかったのに…」





千尋がため息をつき、ふと見たところに選挙のポスターがあった





「ふん…あたしこのおっさん嫌いなのよ…」




と呟きながらポスターに近づくと千尋はある落書きを見つけた






「何これ…?星のマーク?」




千尋は特に考えもせずその星に触れた






「おおっと!あなた願い事言ってください!」





千尋は突然現れた声の主に目を疑った








魔女みたい






「願い事ですよ願い事!

えーっとあなたの名前は石井…千尋さん!

ちょっとあなたの願い事聞かせてください」




何かしら…新手の占い師かしら






千尋はそう警戒しながらもなぜか口を開いていた





「実はさっき運命の人かもしれない人に出会ったのよ…」






「さっき出会ったというのはこの人ですね?」




女は既に準備してありました、とでも言うかのように千尋にあるものを渡した





「何これ免許証?」



「あなたの運命の人と思われる人がさっき落としてました。これを届けにいったらどうです?」




たしかにその免許証の写真は彼だった




「あ!あなた…!」





千尋が驚きその女を見つめるとその女が突然舌打ちをした




「…!また…!


また人が"星に触れた"…!今日はなんて忙しいのでしょう!」





女はそう言い残すと突然千尋の前から姿を消した







千尋は瞬き、そして手の中にある免許証を見つめた







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